「そろそろ子どもと別々に寝たほうがいいのかな…」「でも、まだひとりじゃ寂しそう…」 そんな風に、寝室を分けるタイミングに悩んでいませんか?
子どもと一緒に寝る時間は、親子の大切なスキンシップであり、安心感を育む貴重な時間です。しかし一方で、「いつまで一緒に寝ていていいの?」「自立の妨げになるのでは?」という不安も、親であれば誰しも抱えるものです。
モンテッソーリ教育では、「子どもが自ら成長しようとする力(自己教育力)」を信じ、そのプロセスを尊重します。この考え方に立つと、寝室を分けるタイミングも、大人が一方的に決めるものではなく、子どもの内面の準備が整うのを待つべきなのです。
子どもと一緒に寝ると子どもが自立できない?

子どもの自立=ひとりで寝ること?
「ひとりで寝られない子は自立できない」そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
しかし、モンテッソーリ教育における自立とは、「自分で自分のことをする力」「自分で選び、決める力」を育てることです。単に1人で寝られるかどうかではなく、子どもが安心し、自信を持って行動できることが大切とされています。
マリア・モンテッソーリは、「子どもが自由に選び、自分で行動する中でこそ、本当の意味での自立が育つ」と述べています。つまり、“親と一緒に眠る=甘やかし”ではなく、“安心の中で育まれる選択の力”なのです。
「一緒に寝てる=過保護」じゃない
私も、義母から「まだ一緒に寝てるの?甘やかしてない?」と聞かれ、心がザワついた経験があります。でも、家庭の育児方針はそれぞれ違って当然です。
モンテッソーリ教育では、子どもを一人の人格として尊重し、子どもの“今”を大切にします。もし、子どもが「まだひとりは不安」と感じているのなら、その気持ちに寄り添うことこそが、自立への土台を育むことにつながります。
子どもの“自立”は“安心感”から育つ

わが家の体験談:自分のタイミングで決めたい
わが家の長女は、小学校入学を目前に「自分の部屋がほしい!」と言い出しました。親としては「いよいよ自立の第一歩か!」と喜びながら、「自分の部屋なら寝るのも1人になるよ?」と伝えると、「それはイヤ!」と即答。
どうやら彼女にとって「ひとりの空間」と「ひとりで眠ること」は別問題だったようです。その後も、私・長女・次女の3人で川の字になって寝ています。
そして私は決めました。「寝室を分けるタイミングは、親ではなく子どもが決めるもの」だと。この経験から学んだのは、子どもが“自分で選ぶ”ことの大切さ。無理やりではなく、自分の意志で「ひとりで寝る」と決めた時こそ、それが本当の意味での自立なのだと思います。
拒否されるほど執着が強くなる?
子どもが「一緒に寝たい!」と言ってくる時に、「もう小年生なんだから、1人で寝れるよね?」と言うと、逆に”どうしたらママと一緒に寝られるんだろう?”と子どもの中で一緒に寝ることがゴールになってしまい余計に執着してしまうようなことが何度かありました。
それよりも、「いいよ、一緒に寝よう」と受け入れてあげた方が、子どもは安心し、心が満たされて落ち着いていきます。
実際に、受け入れてからのほうが、朝の起床後の活動がスムーズになったり、着替えや準備も自発的にやるようになってきました。心が満たされることで、日中の行動に好影響が出てくるのを感じています。
寝室を分けるベストタイミングと進め方

サインを見逃さないで
「自分の部屋がほしい」「ひとりで寝てみたい」「お友達もそうしてるって言ってたよ」こういった言葉が出てきたら、それは寝室を分けるチャンスです。いきなり完全に分ける必要はありません。たとえば、平日は親子一緒に眠り、休日だけ別々にする方法や、寝かしつけまでは一緒にいて、寝た後に親が退室する方法など、段階的に慣れていくことが大切です。また、ぬいぐるみやライトなど安心できるグッズを用意しておくのも、子どもの気持ちを支える手助けになります。
無理強いしないことが成功のカギ
寝室を分けるときに一番大切なのは、子どもの気持ちを最優先することです。親の都合だけで「今日から別々ね」と進めるのではなく、子どもとよく話し合って、一緒に進めていくことが何より大事。そして、安心できる環境を整えてあげることも忘れずに。たとえば、お気に入りのぬいぐるみを近くに置いたり、やさしい灯りの照明を使ったり、ドアを少し開けておくといった工夫が、子どもの不安をやわらげてくれます。
まとめ|“今だけ”の時間を大切にしよう

子どもと一緒に眠る時間は、人生の中でもほんのわずかな期間です。だからこそ、「まだ一緒に寝ているから自立できないのでは?」と焦らず、今この瞬間を大切にしてほしいと思います。
子どもにとって、“安心して眠れる”ことは、生きる土台になります。無理に離そうとするより、たっぷり愛情を注いで満たしてあげることが、やがて自立の力へとつながっていくのです。
そして、子どもが「もうひとりで大丈夫」と言えるその日が来たとき、きっとあなたも「思いっきり甘えさせてあげてよかった」と思えるはずです。焦らなくて大丈夫。ママの愛は、ちゃんと届いていますよ
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